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リウマチ・膠原病患者さんとそのご家族のための外来通院学

【対象】リウマチ・膠原病患者さんとそのご家族

【著者より】

外来診療をより良いものにするためには患者さんご自身による心がけが欠かせません。その上でぜひとも知っておいていただきたいことをまとめたのが本書「外来通院学」です。

「この一冊を読めば病気や通院に関わる多くの悩みが解消される」ということを目指して作りました。

「わかりやすさ」「読みやすさ」を最優先にして構成していますので、医学的な内容が苦手な方もどうぞご安心ください。

【主な内容】

まえがきより

避けられるはずの負担やリスクを多くの患者さんが背負っているのではないかという危機感

2018 年6 月に私が勤務する大分市で開催されたリウマチ・膠原病患者さんの会で、初めて患者さん向けの講演を行いましたが、その際の反響に驚きました。

「もっと早く聞きたかった」「もう一度聞きたい」「耳が遠くて聞きとれないところもあったから本にして欲しい」などのありがたいご感想をいただきました。

準備に時間をかけた分嬉しかった半面、ちょっとした危機感も覚えました。実はこのような感想を述べた方の中には私の外来に通院されている方も含まれていたからです。

私としては普段の外来で説明しているようなごくごく初歩的な内容を「復習」していただくことを目的とした講演のつもりでしたが、実際には「新しい情報」として聞き入れてくださった方が多かったので非常に不安になりました。

医師がわかりやすく患者さんにお伝えしているつもりでも、医学的な予備知識がないために実はあまり伝わっておらず、医師の自己満足に終始しているのではなかろうかと感じたのです。

後で紹介しますが「膠原病はからだから消してしまうのが難しい病気」です。うまく病気を制御し「共存」していくべき相手とも言えます。

したがって膠原病と上手に付き合っていくには医療従事者側だけでなく患者さん側のちょっとしたテクニックも必要です。

私たち膠原病の医師は外来の現場で患者さんにそのテクニックを伝えているつもりなのですが、私たちが思っていたほど伝わっていないことと、一方で患者さん方がそのような知識を欲していることをこの講演を通じて痛感しました。

つまり、本来ならば避けることができるはずのリスクや心身の負担を多くの患者さんが無駄に抱え、我慢を強いられているのではないかという危機感を覚えたことが本書執筆のきっかけでした。

目次

本書で膠原病を学ぶ上での注意点

これだけは知っておいて欲しい:膠原病診療にかかわる基本的医学知識

外来通院学Ⅰ.~日頃から心がけておきたいこと~

外来通院学Ⅱ.~トラブル(感染症)時の対応~

外来通院学Ⅲ.~診察時の取り組み方~

著者