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在宅看護・介護のための難病ガイド 改訂第2版

在宅看護・介護のための難病ガイド 改訂第2版

厚生労働省特定疾患を中心に介護保険法によって定められた疾患、東京都の指定難病などの疾患を網羅。

各疾患の特徴・主な症状、治療法、介護のためのリハビリのポイントを解説。

在宅看護・介護に携わる介護スタッフ、保健師、看護師などのコメディカルスタッフ、医療保健行政職必携のガイドブック。


改訂の序


 初版から5年が経つ。厚生労働省で,「原因不明,治療方法未確立であり,かつ後遺症を残すおそれが少なくない疾病」と定め,調査研究が行われている特定疾患は,平成19年3月現在で45疾患となった。数だけみると,一見減ったようにみえるが,内容的にはむしろ増えている。


 たとえば,パーキンソン病はパーキンソン病関連疾患となり,進行性核上性麻痺と大脳皮質基底核変性症が加わった。また,シャイ・ドレーガー症候群は多系統萎縮症に改められ,シャイ・ドレーガー症候群のほかに線条体黒質変性症,オリーブ橋小脳萎縮症が加わった。このほか,クロイツフェルト・ヤコブ病もプリオン病と改められ,クロイツフェルト・ヤコブ病と同様,脳に異常な蛋白質(プリオン蛋白)が蓄積し脳神経細胞の機能が障害されるゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病ならびに致死性家族性不眠症が加えられた。したがって,これらの疾患について追記する必要が生じた。また,本書は臓器別に編集されているので,どの疾患が特定疾患に該当するのか,あるいは,介護保険制度で指定されている疾患はどれかなど,(特),(介)などのマークを目次覧に入れて判別できるようにした。また,国および東京都で指定している特殊医療費疾病についても加筆した。


 介護保険制度も5年が経ち,最近,見直された。しかし,いかに優れた制度であっても,介護を受ける人と提供する人との間で,心が通い合い信頼関係が芽生えなければ,評価されない。とにかく,看護も介護も手間ひまのかかるものである。少しでも病気のことを知り理解することは,看護・介護をする上で必ず助けとなるはずである。上手く活用して役立てていただければ幸いである


平成19年4月吉日


星  恵子
下條 貞友



◇目次◇

  1. 神経・筋およびその周辺疾患
    •  1.多発性硬化性(特)
    •  2.脊髄小脳変性症(SCA)(特)(介)
    •  3.ハンチントン舞踏病(ハンチントン病)(特)
    •  4.多系統萎縮症(線条体黒質変性症,オリーブ橋小脳萎縮症,シャイ・ドレーガー症候群)(特)(介)
    •  5.シャイ・ドレーガー症候群(特)(介)
    •  6.プリオン病(クロイツフェルト・ヤコブ病,ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病,致死性家族性不眠症)(特)
    •    MEMO 狂牛病(BSE)
    •  7.遺伝性(本態性)ニューロパチー(都)
    •  8.副腎白質ジストロフィー(特)
    •  9.早老症(ウェルナー症候群)(介)
    •  10.ミトコンドリア脳筋症(都)
    •  11.認知症(介)
    •  12.パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺,大脳皮質基底核変性症,パーキンソン病)(特)(介)
    •  13.パーキンソニズム
    •  14.脳血管疾患(脳血栓,脳出血)(介)
    •  15.クモ膜下出血(介)
    •  16.ウイリス動脈輪閉塞症(特)
    •  17.重症筋無力症(特)
    •  18.筋萎縮性側索硬化症(特)(介)
    •  19.進行性筋ジストロフィー(都)
    •  20.ミオトニー症候群(都)
    •  21.先天性ミオパチー(都)
    •  22.脊髄性筋萎縮症(都)
    •  23.スモン(特)
    •  24.ライソゾーム病(ファブリー病を含む)(特)
    •  25.ウイルソン病(都)
    •  26.糖尿病性神経障害(介)
    •  27.慢性炎症性脱髄性多発神経炎(都)
    •  28.亜急性硬化性全脳炎(特)
    •  29.神経線維腫症(特)
    •  30.脊髄空洞症(都)
  2. 心・血管・呼吸  器疾患
    •  1.うっ血型特発性心筋症(特発性拡張型心筋症)(特)
    •  2.特発性肥大型心筋症(拡張相肥大型心筋症)(都)
    •  3.遺伝性QT延長症候群(都)
    •  4.大動脈炎症候群(高安動脈炎)(特)
    •  5.バージャー病(ビュルガー病)(特)
    •  6.閉塞性動脈硬化性(介)
    •  7.原発性肺高血圧症(特)
    •  8.特発性慢性肺血栓塞栓症(肺高血圧型)(特)
    •  9.特発性間質性肺炎(特)
    •  10.びまん性汎細気管支炎(都)
    •  11.慢性閉塞性肺疾患(肺気腫,慢性気管支炎など)(介)
    •  12.サルコイドーシス(特)
  3. 膠原病およびその周辺疾患
    •  1. 全身性エリテマトーデス(特)
       2.皮膚筋炎・多発性筋炎(特)
       3.全身性硬化性(特)
       4.関節リウマチ(介)
       5.悪性関節リウマチ(特)
       6.混合性結合組織病(特)
       7.結節性動脈周囲炎(特)
       8.アレルギー性肉芽腫性血管炎(チャーグ・ストラウス症候群)(都)
       9.シェーグレン症候群(都)
       10.ベーチェット病(特)
       11.ウェゲナー肉芽腫症(特)
       12.アミロイドーシス(特)
       13.原発性免疫不全症候群(特)
       14.成人スチル病(都)
  4. 骨・関 節疾患
    •  1.脊椎靭帯骨化症(特)(介)
       2.広範脊柱管狭窄症(特)(介)
       3.強直性脊椎炎(都)
       4.特発性大体骨頭壊死(特)
       5.骨折を伴う骨粗鬆症(介)
       6.両側の膝関節または股関節に著しい変化を伴う変形性関節症(介)
  5. 消化器系および肝疾患
    •  1.潰瘍性大腸炎(特)
       2.クローン病(特)
       3.劇症肝炎(特)
       4.原発性胆汁性肝硬変(特)
       5.原発性硬化性胆管炎(都)
       6.自己免疫性肝炎(都)
       7.肝内結石症(都)
       8.慢性肝炎(都)(指定取り消し)
       9.肝硬変・ヘパトーム(都)(指定取り消し)
       10.バッド・キアリ症候群(特)
       11.特発性門脈圧亢進症(都)
       12.重症急性膵炎(特)
  6. 腎疾患
    •  1.悪性高血圧症(悪性腎硬化症)(都)
       2.腎不全(血液透析を要する)[都の特殊医療費疾病]
       3.ネフローゼ症候群(都)
       4.多発性嚢胞腎(都)
       5.糖尿病性腎症(介)
  7. 血液疾患
    •  1.再生不良性貧血(特)
       2.特発性血小板減少性紫斑病(特)
       3.骨髄線維症(都)
       4.特発性好酸球増多症候群(都)
       5.先天性血液凝固因子欠乏症[国の特殊医療費疾病]
  8. 皮膚疾患
    •  1.天疱瘡(特)
       2.表皮水疱症(特)
       3.膿疱性乾癬(特)
       4.母斑症(都)
  9. 眼疾患
    •  1.網膜色素変性症(特)
       2.網膜脈絡膜萎縮症(都)
       3.糖尿病性網膜症(介)
    索引