JMPマガジン69
DPC/PDPSコーディングの精度と収益への影響
- -症例検討と対応策-
- ■監修/真野 俊樹 多摩大学医療リスクマネジメントセンター教授
- ■編集/石富 充
- 多摩大学医療リスクマネジメントセンターフェロー
- 株式会社ニチイ学館 医療関連事業統括本部事業開発本部事業開発部部長
- ■B5判/72頁/2色刷り
- ■定価 2,625円 (本体価格2,500円+税)
- ■ISBN978-4-902266-61-0
DPCはデータの活用方法によっては医療機関の収益にも大きく影響する。本書はDPCデータを精査した検証事例から、具体的な事例に沿って収益への影響を中心に説明、またその改善策についてもまとめた。
はじめに
DPC対象病院は平成23年4月現在で1,449医療機関となり、準備病院201医療機関を含めると1,650医療機関がDPCに取り組んでいる現状となっています。
そうした中、DPC分析やDPCと病院経営を関連づけた書籍出版やセミナーは数多く実施されています。そのどれも各医療機関にとっては1つの指針として活用されていることと思います。
特にDPCの場合、データの分析内容を他の医療機関と比べることも容易にできるため、データの活用方法によっては医療機関の収益にも大きく影響しています。
その中で、今までも正しいDPCコーディングの必要性は色々な場面で耳にする機会があったと思います。特に昨年度あたりから、正しいDPCコーディングの必要性に対する声も大きくなってきました。これは現状提出されているデータの修正が思いのほか多かったこともその要因と考えられます。
今回はDPCデータを精査した検証事例から、具体的な事例に沿って収益への影響を中心に説明していきたいと思います。またその改善策についてもまとめております。
すでに医療機関によって、様々な対応方法を実施しておられるとは思いますが、是非参考にしていただき、正しいコーディングによる分析精度の向上及び収益改善、最終的には患者サービスの向上に役立てていただきたいと思います。
平成23年12月吉日
多摩大学統合リスクマネジメント研究所
医療リスクマネジメントセンター フェロー
株式会社ニチイ学館 医療関連事業統括本部事業開発本部
事業開発部 部長
石富 充
【目 次】
はじめに序 コーディングの制度に影響を及ぼす要件について
第1章 症例検討
- 1.検証について
- 2.検証結果全般
- (1)コーディング精度の全体状況
- (2)MDC別過誤状況
- (3)収益ベースでの過誤状況
- (4)DPCコーディングの過誤による問題点
- 3.DPCコーディング精度についての検証結果
- (1)過誤が医療機関の統計に与える影響
- (2)個別に収益の影響を検証する
- (3)個別に収益の影響詳細を考察する
- 1.対応策
- (1)基本的事項の再確認
- @診断群分類の決定方法について
- Aコーディング上での注意点
- (2)病院としてすべきこと
- @円滑な運用について 〜再確認しましょう〜
- A様式1作成のための情報フローの構築
- B様式1作成のための役割の明確化
- (3)DPC検証部署の必要性と役割
- @DPC/PDPS保険請求上の現状と問題点
- ADPC検証部署の役割
- (4)DPCにおける診療情報管理士・医事課・医療情報部門の役割
- @全般的な役割
- ADPCにおける役割
- BDPC/PDPSにおける医師への対応
- C自院版DPCコーディングマニュアルの作成
- Dコーディング勉強会(地域や他医療機関との)への参加
- (5)DPCにおけるコメディカルの役割
- @看護師の現状と役割
- A薬剤師の役割
- B栄養士の役割
- C臨床検査技師の役割
- D理学・作業・言語療法士の役割
- E診療情報管理士、医事課の役割
- (6)DPCにおけるクリニカルパスの活用
- (7)正しいDPC請求のためのチェックシート
- 2.改善事例
- (1)請求精度向上のための取り組み事例
- (2)DPC請求フロー事例
- 3.参考資料