JMPマガジン172
リウマチ・膠原病になったら最初に読む本 ―外来通院学2.0―
- 著 前島圭佑(前島リウマチ内科クリニック 院長)
- A5/ 122頁
- 定価1,650円(税込)
- 978-4-86577-078-0
【対象】リウマチ・膠原病の患者さん、そのご家族など
【内容】
- リウマチ・膠原病患者さんのための外来通院ガイドブックです。
- 2019年に発行した前版『リウマチ・膠原病患者さんとそのご家族のための 外来通院学』から大幅改訂しました。
- 前半は,医師からの説明を理解する手助けとなるよう、医学的言語をかみ砕いて,分かりやすく説明し,外来通院に際して必要な知識を独自の視点
- でまとめています。
- 後半は,患者さんがリウマチ・膠原病と上手に付き合うための知識やテクニックを中心に紹介し,どのように病気と付き合うべきかを学べる内容となっています。
- 本書は読者の方々のリウマチ・膠原病に伴う心身の負担を軽減させることを目指した1冊です。
【目次】
まえがき
- 1)本書執筆のきっかけ
- 2)本書の構成
- 3)本書の注意点
- 4)初版との違い
膠原病診療に関わる医学的知識
- 第1 章 免疫・炎症とは?
- 1)膠原病は免疫の異常による病気
- 2) 体内に侵入した非自己(自分の体ではないもの)を排除するのが免疫の仕事
- 3)炎症は免疫によって生じる生体反応
- 第2 章 自己免疫疾患・膠原病とは?
- 1)免疫の矛先が自分の体に向いてしまうのが自己免疫疾患
- 2)膠原病は全身性の自己免疫疾患
- 3)膠原病をひとことで説明すると
- 4)不都合な真実?
- 5)膠原病は上手に付き合うべき病気
- 第3章 膠原病治療(免疫抑制療法)で使う薬について
- 第4 章 ステロイド薬とは?
- 1) ステロイド薬(グルココルチコイド)は膠原病治療の基本薬
- 2)ホルモン過剰症に注意
- 3)ステロイド薬が必要なときは躊躇せず使用する
- 4)ステロイド薬だけは何があっても忘れずに内服する
- 5)薬にはいくつかの呼び名がある
- 第5 章 狭義の免疫抑制薬とは?
- 1)効き方に個人差がある
- 2)開始・増量後1~3か月間はとくに副作用に注意する
- 第6 章 分子標的薬とは?免疫調節薬とは?
- 1)分子標的薬とは?
- 2)免疫調節薬とは?
- 第7 章 膠原病治療の流れ ~「ステロイド薬中心の治療」の場合~
- 1)治療内容は一定ではない
- 2)「ステロイド薬中心の治療」を選択するとき
- 3)「ステロイド薬中心の治療」における寛解導入療法の流れ
- 4)ステロイド薬の減量スピードについて
- 5)「ステロイド薬中心の治療」における維持療法の流れ
- 第8 章 膠原病治療の流れ ~「ステロイド薬を積極的に使わない治療」の場合~
- 1)「 ステロイド薬を積極的に使わない治療」における寛解導入療法の流れ
- 2)「 ステロイド薬を積極的に使わない治療」における維持療法の流れ
- 第9 章 入院で行うこと
- 1)ステロイド薬中心の治療(寛解導入療法)の目的
- 2)診断目的
- 第10 章 病勢マーカーを理解する
- 1)病勢マーカーとは
- 2)膠原病とその他の病気の病勢マーカーの違い
- 3)膠原病の病勢マーカーについて
- 4)病勢マーカーの注意点
外来通院学Ⅰ ~日頃から心がけておきたいこと~
- 第11 章 薬の飲み忘れに注意する
- 1)膠原病治療では複数の薬を使うことが多い
- 2)きちんと薬を続けなければならない理由
- 3)薬の予備を持っておきましょう
- 第12 章 「感染に注意して」に込められた意味を理解する
- 1)感染症の考え方
- 2)感染症が起きやすい体の部位
- 3)病原体が体内に侵入するのを防ぐ
- 4)日常的にトイレを我慢するのは厳禁
- 5)ワクチンを活用する
- 6)体力を維持する
- 第13 章 検査結果との向き合い方
- 1)過去との比較が大事
- 2)検査結果自体より医師の説明を優先する
- 3)時系列で見て変化がないかをチェックする
- 第14 章 健診と検診の考え方
- 1)膠原病診療での定期検査の内容と頻度
- 2)健診を受けるべきか
- 3)がん検診は定期的に受ける
- 4)歯周病検診も不可欠
- 5)血圧・体重・身長・骨密度・眼科受診
- 第15 章 近所にかかりつけ医を持つ
- 1)「かかりつけが総合病院だけ」のデメリット
- 2)近所にかかりつけ医を持つことの利点
外来通院学Ⅱ ~トラブル(感染症)時の対応~
- 第16 章 風邪の対応
- 1)確実に効く薬はない
- 2)免疫抑制療法中にかかる風邪の特徴
- 3)膠原病治療薬をどうすべきか
- 4)注意すべきとき
- 第17 章 感染性胃腸炎の対応
- 1)感染性胃腸炎の症状
- 2)点滴が有効
- 3)膠原病治療薬をどうすべきか
- 第18 章 帯状疱疹の対応
- 1)帯状疱疹とは
- 2)膠原病治療薬をどうすべきか
外来通院学Ⅲ ~診察時の取り組み方~
- 第19 章 患者さんが医師に伝える内容について
- 1)伝える順番
- 2)処方への感想は正直に伝える
- 3)数字を使って伝える
- 4)個人的な事情も伝える
- 5)注意点
- 第20 章 医師にとって理想的な外来診療の流れとは
- 第21 章 治療歴ノートのススメ
- 1)治療歴ノートをお勧めする理由
- 2)治療歴ノートに記載していただきたい項目
- 3)治療歴の記載方法
- 4)治療歴ノートの使用上の注意
- 第22 章 【番外編】膠原病患者さんのご家族へお願い
外来通院学Ⅳ ~発展編~
- 第23 章 「機能性障害」を理解する
- 1)知名度は低いがありふれた病気
- 2)器質性障害との違い
- 3)「免疫- ホルモン- 神経」連関とは
- 4)機能性障害の本質
- 5)機能性障害による症状
- 6)中枢神経の機能異常の本質
- 7)膠原病は「負情動>>快情動」の誘因になる
- 8)膠原病自体よりむしろ機能性障害で悩む患者さんも多い
- 9)膠原病患者さんの機能性障害の対処法
- 第24 章 「慢性炎症」という考え方を取り入れる
- 1)慢性炎症とは
- 2)慢性炎症の原因
- 3)膠原病診療で慢性炎症の考え方を取り入れる意義
- 4)個人の生活習慣ではなく周囲の生活環境が原因
- 5)発想の転換 ~一病息災を目指す~
- 6)膠原病患者さんのメリット
- 第25 章 原因にアプローチする ~総論編~
- 第26 章 原因にアプローチする ~食事編~
- 1)腸がなぜ大事なのか
- 2)健康のためには腸内細菌の多様性が欠かせない
- 3)腸内細菌を育む方法
- 第27 章 原因にアプローチする ~ストレス編~
- 1)情動脳のバランスを改善させるイメージで過ごす
- 2)快情動を刺激する
- 3)負情動を小さくする ~認知の歪みを自覚する~
- 4)負情動を小さくする ~首尾一貫感覚を鍛える~
あとがき
著者略歴
著者略歴
- 1978 年 大分県津久見市生まれ
- 2003 年 大分医科大学(現大分大学医学部)卒業
- 2003 年 大分大学医学部 第一内科
- 2004 年 九州厚生年金病院(現 JCHO 九州病院) 内科
- 2006 年 津久見市医師会立津久見中央病院 内科
- 2006 年 大分大学医学部 第一内科(膠原病内科)
- 2008 年 産業医科大学 第一内科 訪問研究員
- 2010 年 大分大学医学部 第一内科(膠原病内科)
- 2014 年 カリフォルニア大学サンディエゴ校 リウマチ学講座 訪問研究員
- 2016 年 大分大学医学部 内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座 助教
- 2020 年 医療法人慈恵会 西田病院 リウマチ・膠原病内科 部長
- 2024 年 前島リウマチ内科クリニック 院長
資格・所属学会
- 医学博士
- 日本内科学会(認定内科医,総合内科専門医)
- 日本リウマチ学会(専門医,指導医,評議員)
- 九州リウマチ学会
- 日本臨床免疫学会
- 日本臨床リウマチ学会
- 日本免疫不全・自己炎症学会
- 日本心身医学会
主な受賞
- 2010 年 欧州リウマチ学会賞(Abstract Award)
- 2017 年 日本臨床免疫学会賞(症例報告賞)
著書
- リウマチ・膠原病患者さんとそのご家族のための外来通院学
- (東京:日本医学出版;2019)
- Dr.前島の膠原病論(東京:中外医学社;2022)