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ドクターさわやまの「当世健康講座」:亭主を早死にさせる10か条

第4条 「行きなさい 子供のためよ 単身赴任」

今回は、夫が勤務する会社から単身赴任の話が持ち上がり、妻に相談を持ち掛けたところ早速亭主に向かって、"待ってました"とばかりこのように勧めています。

ところで皆さんは「単身赴任」という意味の外国語はあるとお考えでしょうか。先日、英語に堪能な先輩に聞いてみたのですが「えっ?単身赴任?・・・そういえば耳にしたことがないねー」との事でした。

また単身赴任といえば私の友人が嘆いていました。自分がたまに自宅に戻っても翌朝には家族のもとを離れてしまうため、子供には父親とは写らず、別れ際には子供から「よそのオジちゃん」というレッテルを貼られてしまうというのです。 そのことを称して私は、単身赴任生活を余儀なくされている子供と父親の関係に「"オジちゃん、また来てね"症候群」と名づけました。

何故今回、私がこの課題を取り上げたかというと、単身赴任の男性に「糖尿病」が多発しているというデータがあるからです。そのような結果が発表されたからには、国を挙げて「単身赴任」をなくすような取り組みを考えるか、それが不可能であればせめて「単身赴任者」に対して正しい食生活が可能なメニューを外食産業が提供するか、何らかの対策が必要になってくるでしょう。

単身赴任者はたとえ糖尿病を発症したとしても外見上でも仕事ぶりでも周囲にはわかりにくく、さらにブレーキ役がいないので仲間達の誘いに乗ってついつい暴飲暴食や夜更かしに走りがちになります。

塩分多めの食事やアルコールの多飲は糖尿病以外にも高血圧や高脂血症につながり、今で言う「メタボリック症候群」に発展していくでしょう。これが妻の企みです。

※メタボリック症候群:内臓肥満を背景に高血圧・高脂血症・高血糖を併発し、放置されると脳梗塞や心筋梗塞に至る病態

ここでも妻は、亭主の糖尿病ひいてはメタボリック症候群を望んで単身赴任生活を勧めています。