倉敷開業物語
- 沢山俊民(さわやま としたみ)氏1934年兵庫県生まれ。
- 59年京都府立医科大学卒業。64年同大学院修了。米国留学後、70年から川崎医科大学に勤務。
- 75年に内科学教授に就任。
- 99年5月、さわやまクリニックを開業。
「倉敷開業物語第2回」―さわやまクリニック院長 沢山俊民―川崎医科大学名誉教授
3.クリニックの将来像
1.研究所を併設し一層発展させたい
「患者から学ぶ」からには、学んだ結果を実地医家などに還元した気持ちが続いている。従って、午前(循環器診療)は倉敷循環器研究所、午後は自然療法研究所として、ともにデータを出しながら学会活動や執筆活動を続けたい。
まず午前の部では、現在既に2つのプロジェクトを持って臨床研究を進めている。一つは「労作性高血圧」の発見と研究で、これは今秋の日本臨床生理学会で発表予定である。他は、ホルター心電図による胸部症状の診断と治療で、倉敷循環器談話会で発表ずみである。さらに日経メディカル社から最近、クリニックで取材撮影された「実地医家のための不整脈ビデオ」を出版した。
2.ドクターズ・ヒーラーズ・ネットワーク(Doctors-Healers Network)の代表施設にしたい
これは午後の部に関連するもので、将来は Evidence-based Medicineの考えに基づいて、「感性」のみに頼りがちな自然療法に客観性を持たせるようデータを出してゆく所存である。
以上、私がなぜ65歳で新規開業に踏み切ったかに関してその経緯を述べ、加えて「さわやまクリニック」の現況と将来についても言及した、願わくば本邦においてもこのようなタイプの実地診療が経営面で成り立つことが可能になるよう、行政などにも働きかけたいと思っている。
4.参考資料
- 1)沢山俊民:患者から学ぶ循環器診療の落とし穴. 日本医学出版.東京.1999
- 2)沢山俊民:特別寄稿-心臓と私、川崎医学会誌一般教. 25:15-22. 1999
- 3)私のクリニックプラン-さわやまクリニック:日経ヘルスケア. P62-64. 2000年6月